ソレノイドの吸引特性~実はプランジャー先端の形がカギ~

🧲ソレノイドの基本動作原理
ソレノイドの動作原理として、コイルから発生した磁界がフレームを伝って、
プランジャーと固定鉄心が磁化し、引き合うことによって動作します。
簡単に言えば、電磁石の原理で鉄同士が磁石になって、くっつこうとする力で動作します。
🤝磁石の引き合う力とソレノイドの吸引力の関係
みなさんも幼いころ、磁石で鉄板をくっつけて遊んだ経験があるかと思います。
磁石を鉄板に近づけていくと、ある距離から一気に引き合って「パチン!」とくっつく
──あの現象です。
それは電磁石の原理を応用しているソレノイドでも同じことが起こります。
ソレノイドはストロークが一番長いポイントで吸引力が弱く、ストロークが短くなるにつれて
2次関数的に吸引力が強くなっていきます。
📉吸引特性カーブと標準構造の課題

(一般的なソレノイドの吸引特性カーブ)
このため、ストロークが一番長いポイントで強い吸引力が必要な場合は、標準構造のままでは向かない場合もあります。
🎨プランジャー先端形状による吸引特性のコントロール
実は、この吸引特性──プランジャーの先端形状を工夫することで、ある程度コントロールすることができるんです!
タカハソレノイドのプランジャーを見てみると、先端が鉛筆の先のように、テーパー(斜め)になっているのが分かります。

このテーパーの長さや角度によって、カーブを調整しています。
例えば、ストローク8mmの場合を考えてみます。

先端形状がフラットの場合に、ストローク8mm時には、当然プランジャーと固定鉄心の距離は8mmとなりますが
プランジャー先端がテーパー形状で固定鉄心に入り込む形であれば、それより距離が近くなり、磁気的に有利になります。

赤線がフラットの場合の吸引特性カーブ、青線が先端テーパーの吸引特性カーブです。
吸引力の急激な立ち上がりを押さえ、ストロークが遠い場合は有利になります
(一方で、短ストローク時の吸引力はどうしても弱くなる点には注意が必要です。)
🛠️プランジャー先端形状のカスタムでの最適化
このようにプランジャーの先端形状を、使用方法によってカスタムすることで最適化できます。
一般的には形状による特性の違いは以下のようになります。

📞タカハ機工でのプランジャーカスタム対応について
タカハ機工ではプランジャーの形状カスタムは100台以上でのご注文か、それを前提とした試作で承っております。
ご使用方法に合わせたカスタムのご提案等できますので、お気軽にお問い合わせください。

